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日本発 貿易プラットフォームの海外(インドネシア、カンボジア、ベトナム)展開可能性に関する調査が完了

日本発 貿易プラットフォームの海外(インドネシア、カンボジア、ベトナム)展開可能性に関する調査が完了

 貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz®」(注1)を運用する株式会社トレードワルツ(以下:トレードワルツ)は、令和4年8月~令和5年2月に、株式会社三菱総合研究所(以下、三菱総合研究所)と共に実施していた「令和4年度 質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業」が完了したことを報告します。
 本事業は、TradeWaltzのインドネシア、カンボジア、ベトナムの3か国への展開に向けた実施可能性を調査したものです。結果として、3か国全てにおいて事業性があることを確認できました。

■「質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査」の概要 
 新興国を中心にインフラ需要が拡大する国に対して、我が国の質の高いインフラ技術やノウハウを活用し、輸出や投資を拡大することは日本経済成長の重要な柱となっています。更に、近年では、SDGsの観点から世界の社会経済の発展に寄与することが重要な課題となっています。

 そのような中で、従来インフラとして位置づけられていた情報通信、エネルギー、交通、都市基盤、医療、農業、廃棄物処理等の社会・経済インフラに加えて、デジタル化や脱炭素化等の新たなインフラ需要に対応した形で、日本企業による質の高いインフラの海外展開事業を支援すべく、経産省が「事業実施可能性調査事業」として実施したものが本調査となります。今回、三菱総合研究所が経産省から委託を受け、インドネシア、カンボジア、ベトナムの3か国を対象に、貿易情報連携プラットフォームTradeWaltzを貿易手続きにおけるインフラとして位置づけ、本事業の実施可能性を調査いたしました。

調査内容・結果
 2022年8月~2023年2月にかけて、以下の調査項目についてインドネシア、カンボジア、ベトナムの3か国に関する文献調査及びヒアリング調査を実施しました。

【調査項目】
・現地のインフラ(データセンターの整備状況、インターネットの普及状況、情報端末の普及状況等)
・市場規模(貿易電子化プラットフォームの市場規模)
・事業性
・規制(データの保存・共有サービスや電子商取引等の規制)
・貿易に係る現行業務量
・ステークホルダー(導入の鍵となる機関)
・貿易電子化プラットフォームのニーズ
・貿易における課題

 上記8項目について調査した結果、対象国のインドネシア、カンボジア、ベトナムの3か国とも、貿易電子化プラットフォーム「TradeWaltz」の展開について、事業性はあると判断されました。

 対象国の貿易手続きは現在も、電子メールや電話等、アナログな手続きがほとんどで、関係者間のやり取りに多くの時間とコストがかかっています。また、取引データが一元管理されておらず、手続きの進捗状況や在庫情報を電話で確認するケースも多々あり、在庫・物流ステータスをリアルタイムで確認することが難しい状況です。更に、インドネシアでは、アナログ手続きによる作業員のミスが発生し、訂正に時間を要する点、書類が偽造されやすいといった点も課題として挙げられました。
 上記のような貿易課題に対して、TradeWaltzで完全電子化することで、実務に要する時間やコストの削減のみならず、在庫や物流状況をプラットフォーム上で可視化し、関係者間で共有できるなど、メリットを感じるといった現地貿易実務者の声が寄せられました。また、コロナ禍などの有事にも必要な物資が日本と対象国でやりとりしやすい「サプライチェーン強靭化」に寄与することが期待されることが確認できました。

 事業性に関しては、各国の対日貿易額が年々伸張し続けており、市場規模の拡大によって十分な貿易取引件数を確保することが可能となる見通しです。
 唯一ハードルになると思われることは、対象国に根強く残る原本主義(紙やサイン、印を求める習慣・制度)の商習慣が挙げられます。どんなに電子化しても、通関手続きの際に紙書類の提出を求める習慣が改善されない限り、荷主や物流業者は電子と紙、二重の作業負荷となり、大きな阻害要因となります。その為、民間同士のやりとりから電子化は始めるものの、最終的には税関や関係省庁のシステムと連携を行い、人の習慣を乗り越えていくといったアプローチが必要と考えられます。

ベトナムでは実商流を活用したユーザー実証も実施 
 本調査期間中の2022年12月7日、トレードワルツは自費で、日越間の実商流の過去の取引データを活用したユーザー実証試験を行いました。輸入者である日本側は、水産商社の東洋冷蔵株式会社、フォワーダーの株式会社ユニエツクスNCT、輸出者のベトナム側は、大手水産加工会社、そのフォワーダーが参加しました。4社がPurchase Order(発注書)の送付から始まる一連の貿易手続きをTradeWaltz画面上で実施したところ、ほぼ全てのプロセスで業務効率化が見られ、全体で約60%以上の手続き時間削減が示唆されました。

 実証試験を経て、ベトナム側からは、「TradeWaltzを通じ、関係者間で物流手続きをリアルタイムで共有できることはメリットが大きい」といったコメントが寄せられました。

調査結果を受けての今後の海外展開 
 インドネシア、カンボジア、ベトナムの3か国における、貿易プラットフォーム展開の事業性が確認されたため、現地の荷主・物流会社へのヒアリングを継続し、将来ご利用いただける形を模索して参ります。また、現地税関との連携なども視野に入れて活動して参ります。

【関係者のコメント】
トレードワルツ 取締役COO、CMO、グローバル&アライアンス事業本部長 染谷 悟
「経済産業省様、三菱総合研究所様の調査結果として、貿易プラットフォームの海外展開について事業性が確認されたことを嬉しく思います。現状、トレードワルツは国内のお客様に喜ばれるサービス作りに注力しておりますが、並行してASEAN諸国の貿易実務者の皆様にもお力添えできるよう、少しずつ海外での実証試験や、お客様の開拓を進めてまいります。」

■トレードワルツについて
商号  : 株式会社トレードワルツ

代表者 : 代表取締役社長 小島 裕久
所在地 : 〒100-6036 東京都千代田区霞が関三丁目25号 霞が関ビルディング36階 WORKSTYLING
設立  : 2020年(令和2年)4月

事業内容:ブロックチェーンを活用した貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz(1)」のSaaS(2)提供
人員数 :フルタイム 55名
URL  :https://www.tradewaltz.com
株主一覧:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

     豊田通商株式会社
     東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
     三菱商事株式会社
     株式会社TW Link
     東京海上日動火災保険株式会社

     豊島株式会社
     株式会社上組
     株式会社フジトランス コーポレーション
     三井倉庫ホールディングス株式会社
     株式会社日新
     株式会社三菱UFJ銀行
     丸紅株式会社
     三菱倉庫株式会社
     損害保険ジャパン株式会社
(注1)「TradeWaltz®︎」は日本国内における株式会社トレードワルツの登録商標です。
   その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
(注2)  Software as a Serviceの略で、ユーザーがインターネット経由で必要なソフトウェア機能を利用する仕組み

本件に関するお問い合わせ先
株式会社トレードワルツ 担当:染谷、齋藤、硯里、中尾

Email:info@tradewaltz.com

 

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