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アパレル業界の貿易実務を変える。率先利用し、課題解決を図っていく

2022.11.21
2022.11.16
アパレル業界の貿易実務を変える。率先利用し、課題解決を図っていく

2022年10月よりTradeWaltz®をご利用いただいている、豊島株式会社様。有償利用契約を締結後、本番環境への移行に向けて、現在はトレーニング環境下でご利用いただいています。今回は、同社 システム企画部 部長 濵戸克哉氏(写真右)、同部 課長 岡本健氏(写真左)、海外業務部 部長 伊神慎吾氏(写真中央)にご契約までの経緯やTradeWaltz®の主な利用シーン、今後の展望についてお話を伺いました。

トレードワルツへの期待感はとても大きい

――まずは御社のご紹介をお願いします。

岡本:豊島株式会社は、創業1841年のライフスタイル提案商社です。原綿や原糸から、生地、最終的なアパレル製品までを一貫して取り扱っています。素材部門による戦略的な素材開発のもと、自社で製品までつなげられるのは、弊社の強みの1つです。次のシーズンへ向けて素材提案をする素材展示会と、実際に作った洋服を展示する製品展示会を年2回ずつ行いながら、お客様から受注したものを中国や東南アジアの国々で生産し、輸入してから納めています。

伊神:輸出と輸入で比較すると、弊社は圧倒的に輸入の割合が多い会社です。製品の輸入が主で、その8割程度は中国との貿易ですね。輸出は生地や付属品などの部材が中心となっており、これらは輸入される製品に使われております。

――貿易実務において、どのような課題をお持ちですか。

伊神:アパレル業界では様々な商材を輸出入していることもあり、各所からの問合せも非常に多いです。また、紙ベースのやり取りが必要な業務も残っています。

濵戸:1つの取引における登場人物が多い中で情報のやり取りをするというのは、1本、1本、線でつないでいくような感じです。そこをなんとか、関係者間で一気に共有できたら、と常々思っていました。

伊神:例えば、荷主と物流会社、物流会社と税関というように、貿易実務の現場では関係者間で同じような内容を伝えながらやり取りしています。実際にミスが発生したこともあり、こうした伝言のやり取りに課題感を持っているからこそ、プラットフォーム上で一気通貫の管理ができれば、非常にメリットがあるなと思いますね。

――ご契約理由を教えていただけますでしょうか。

岡本:世の中にはTradeWaltz®以外にも、他社によって提供・運営されている貿易プラットフォームが存在しますが、日本を代表する企業が株主として連なっているトレードワルツに対しては、期待感が違いました。法務省を事務局とする法改正の研究会に、民間企業代表の委員として参加しているというお話などを聞き、国や関係省庁とのつながりがある点にも期待ができましたね。

現時点でアパレル業界におけるTradeWaltz®ユーザーは少ないですが、弊社が率先して利用することで、利用拡大に向けた旗振りをしたいと思っています。アパレル業界のいろいろなステークホルダーの利用が増え、皆が同じものを使えば、アパレル業界の貿易実務に関わる課題が解決でき、かつ効果も最大化できると考えて契約を決めました。

課題感を持ち、現状を見直す「変化のきっかけ」に

――TradeWaltz®の主な利用シーンについて教えてください。

伊神:現在は私が所属する海外業務部において、一部の機能を利用しています。輸出者からの書類を取り込み、それらをTradeWaltz®上で物流会社様に送るのが中心ですね。次は、物流会社様から輸入許可証や請求書をTradeWaltz®上に上げてもらう予定です。荷主だけでは機能しない部分もあるため、取引先企業も巻き込みながら進めています。

岡本:弊社と取引がある物流会社様のうち、これまで13社にお声がけしました。

伊神:その中にはすでに貿易コンソーシアムの会員企業もあり、利用に前向きな声も聞いています。また、開発コストの面からもTradeWaltz®のような既存のプラットフォームを利用していきたい、という声が多く聞かれました。

――実際にTradeWaltz®を利用してみて良かった点や効果について教えてください。

伊神:利用している機能の中で良かったと感じるのは、これまでメールでやり取りしていた書類がプラットフォーム上で可視化できた点です。プラットフォーム上でのやり取りであれば、メールから書類を探しだす作業や書類を付け間違えるミスの軽減にもつながります。

岡本:一番の効果は、「変化のきっかけ」になっていることですね。アパレル業界の貿易実務は、この2、30年、ほとんど変わっていません。ファックスがメールになり、PDFの書類が増えてきたというレベルで、根本的には何も変わっていないのです。そうした中でTradeWaltz®の導入検討を進め、実際に利用し始めたことで、社内の空気感が変わってきたように思います。経営陣も、現場も、皆が「このままではダメだよね。変えられるところは変えていこう」という気持ちになってきたことが一番の効果ではないでしょうか。

皆で一緒に取り組み、互いに伸びる成長路線を考えていく

――トレードワルツに期待されていることを教えてください。

岡本:弊社のように輸入の割合が大きいと、TradeWaltz®上で利用可能な機能はまだ限定的であると言わざるをえません。それも承知のうえで利用しているのは、アパレル業界の貿易実務に見合う貿易プラットフォームをトレードワルツと一緒につくっていきたいと本気で思っているからです。同様に他業界の企業とも意見交換を深めながら、トレードワルツにはあらゆる業界で普遍的に使うことができ、業務効率化に寄与できるような機能の開発・実装を進めていってほしいなと思っています。

具体的な機能面では、アパレル商材の輸入手続きに際する関税評価計算書を自動化してほしいです。現状はHSコードの分類がとても細かいため、もっと効率的な通関時の申告方法はないか、トレードワルツと共に税関へ相談したいと思っています。あとは、中国の貿易プラットフォームとの連携も期待したいですね。

伊神:今後リリース予定の機能かと思いますが、商工会議所との連携やNACCSとのさらなる密連携には大いに期待しています。取引に必要な情報がより多く集まれば、プラットフォームの価値も高まりますし、業務効率化も進みますよね。加えて、実際に船が到着したり、輸入許可が下りたり、という進捗状況についても、プラットフォーム上で可視化できるといいなと思います。

濵戸:今はどちらかというと、輸出入に関わる取引先企業から、機能の追加や強化についてご要望をいただいているところです。私たちの貿易を支えてくださっている物流会社様や通関業者様たちへのメリットは、結果的に私たちのメリットでもあります。トレードワルツにはぜひ、それらの企業様向けの機能も充実させていただきたいですね。

あとは、貿易に伴う決済関係の機能も早く実装されると良いなと思っています。「TradeWaltz®を使わないとダメだよね」となる程に機能を充実させてもらいながら、日本の貿易スタイルを確立してほしいです。

――今後の展望についてお聞かせください。

岡本:弊社は「ライフスタイル提案商社」を目標に掲げています。2022年5月には、経済産業省によるDX認定制度の認定を受けました。既存のお客様やその先の消費者に対して新たな価値を提供できるライフスタイル提案商社になれるよう、足元の実務面の効率化や、各種DX施策の推進にしっかりと取り組んでいきたいと思います。

濵戸:今はまさに、産業全体が変わっていかなければならないときです。ライフスタイル提案商社という立ち位置を活かしながらアパレル業界に貢献し、しっかりと業界内で責任を果たしていきたいと考えています。

――最後に、TradeWaltz®の導入を検討されている方に向けて、メッセージをいただけますでしょうか。

岡本:何事も私の考え方は、「机上で迷っているなら、1回やってみましょう」です。やってみて、できないことは直せばいい―。特にシステムや仕組みについては何度も直せると思うんです。今は従量課金プランもあることですし、迷っているのであれば、1回やりましょう。そのうえで課題を共有しながら、一緒により良いプラットフォームをつくっていけたらと思っています。

伊神:弊社のような荷主のほか、各業界の貿易の当事者が実際に利用し、フィードバックをしていくことで、TradeWaltz®が世界に通用するプラットフォームになるのでは、という期待感があります。皆様にもぜひ、その輪に入っていただければと思います。

濵戸:弊社を含め、各社は共に自社の利益獲得を目指してTradeWaltz®を利用しているわけですが、自分たちが利用するだけでは利益獲得が難しい時代になってきているのも事実です。これからは皆で一緒に取り組んでいくことで、お互いが伸びていくような成長路線を考えなければなりません。そうした中、扇の要のように立っていただいているトレードワルツさんには、期待を寄せていけると思っています。

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