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TradeWaltz®の導入と業務改革。得られる効果を最大化させる

2023.07.21
2023.07.21
TradeWaltz®の導入と業務改革。得られる効果を最大化させる

TradeWaltz®の導入をきっかけに、社内で思い切った業務改革を行われてきた富士フイルムロジスティックス株式会社様。本番環境でご利用され始めてから約半年が経過した今、確実にその効果を実感してきているといいます。今回は、同社 国際事業本部 国際物流企画部 部長 宮本 尊氏(写真中央右)、同部 マネージャー 綱木 博氏(写真左)、経営企画部 情報システム部 プロジェクト推進グループ長 原田 聡氏(写真右)、国際第一事業本部 FF国際物流部 物流企画グループ 唐木 美佳氏(写真中央左)に、TradeWaltz導入経緯や導入して良かった点、API連携についてお話を伺いました。

外部連携によって得られる効果を追求
――まずは御社のご紹介をお願いします。
宮本:富士フイルムロジスティックス株式会社は、「必要なモノを、必要なときに、必要な分だけ、最も合理的な方法でお届けする」というロジスティクス機能の面から富士フイルムグループの競争力を支えている、物流のスペシャリストです。コストの最適化、あるいはサービス自体の強化をミッションとしています。

――TradeWaltz導入の経緯をお聞かせいただけますでしょうか。
宮本:富士フイルムグループ全体でDXを推進していく中で、私たちも物流、貿易という事業領域でどういったことができるのか、現場レベルで検討を重ねてきました。業務設計が何十年も変わっていないことにかねてから強い問題意識を持っており、「どうしたら変えられるだろうか」と非常に力を入れて検討し始めたのは数年前のことでした。

情報システム部がいろいろなプラットフォームの情報を収集する中で知ったのがTradeWaltzです。物流プロセスをシンプルにすることで業務効率化を図ろうとする中、「自社の基幹システムに頼るのではなく、外部のプラットフォームを活用したり連携させたりすることによって得られる効果を追求しよう」と導入検討を始めました。弊社としては、「ブロックチェーンを活用したプラットフォーム」ということも大変魅力的に感じました。

――本番環境ご利用前のトライアル期間についてのお話もお聞かせいただけますでしょうか。
綱木:弊社としては、富士フイルム株式会社(以下、FF)と富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(以下、FB)の業務設計を統一化することで効率化を図りたい、シナジーを出したいと考えていました。そこで、両荷主が共通して利用している株式会社阪急阪神エクスプレス(以下、HEX)様にもご協力を仰ぎながら、航空の輸出取引からトライアルを始めました。

唐木:トライアルでは、いろいろなデータを入力しながら機能確認をしました。取引件数の多さからUI利用は諦め、API連携を本格的に検討し始めたのもトライアル期間中のことです。トライアルをしながら、弊社とHEX様とトレードワルツ社の3社で毎週打ち合わせをし、私たちの業務に必要な項目をトレードワルツ側にリクエストしました。2022年の11月に本番環境での利用を開始しましたが、リクエストした機能がすべて実装されていたので、スムーズに利用を開始することができました。

確実に業務は効率化されてきている
――TradeWaltzの主な利用シーンについて教えてください。
唐木:現在は、航空輸出において搬出指示する際にTradeWaltzを利用しています。今後は、許可書やAir Waybillのイメージデータ受領、ブッキングといった機能も段階的に利用していく予定です。輸出通関申告依頼については、FFでは既にデータを流し始めており、FBでは本格利用に向けて最終設計をしているところですね。

綱木:現在は2社分合わせて毎月数百件の取引がある状況です。今後、海上輸出の取引においても利用することを踏まえると、月間の取引ボリュームはまだ増える余地があります。

――実際にTradeWaltzを利用してみて良かった点について教えてください。
綱木:まずは、これまで異なるシステムで行われてきたFFとFBの貿易業務を統一できたのが良かったですね。TradeWaltz導入以前は、同じフォワーダー様にブッキングする際もFFとFBで異なる帳票をお渡ししていて…。業務のやり方も、フォーマットも統一できたのは本当に良かったです。

また、FBについては、倉庫から入手する梱包明細が手書きでした。手書きの情報はTradeWaltzに取り込めません。そこで、今回の導入に伴って弊社で思い切って業務分析をし、不要な作業は廃止しながら情報の電子化を進めました。上流工程で情報を電子化することで、これまでは手書きであったり、PDFからの転記作業が必要だったりしてきたものがデータとして流れるようになり、後工程についても改善が図れましたね。そういう意味でも、TradeWaltzの導入は業務効率化を推し進める良いきっかけにもなりました。

唐木:現場で実務に携わる者からは、「確実に業務は効率化しているし、楽になった」という声が聞かれます。実際に退勤時刻も以前より早くなっていますね。これまで手元で計算していたものが自動計算されるようになるなど、時間だけでなく、ヒューマンエラーの防止にも役立っています。

原田:自社で長年続けてきたやり方が標準的なものかどうか、客観的に判断することは難しいと思っています。そうした中で今回、TradeWaltzの標準フローとの比較ができました。いわゆる一般的なやり方を知ることから自分たちの業務設計を見直せた、というところも良かった点ですね。

――API連携についてもお伺いしたいのですが、実際に連携させてみていかがでしたか。
原田:弊社では過去にAPI連携をしたことがなく、今回が初めての試みでした。私自身、何も知らないところからスタートしたので、知識の習得などにおいて一定の苦労はありました。ただ、従来のファイル転送による企業間のデータ連携よりも、今後はAPI連携によるデータ連携が増えていくと思っています。今回のAPI連携によって、今後の基盤とも言える土壌ができ、次への足掛かりができたのはとても良かったです。

将来に向けた投資として、中長期的に取り組んでいく
――弊社に期待されていることについて教えてください。
宮本:最終的には、TradeWaltzにデータを流し込めば、以降は何もしなくてもすべて自動で取引が動いていくことを期待しています。物流の動静もTradeWaltzのシングルウインドウですべて分かる、何か問題が起こったときにはアラートが飛んでくる―。もう少し先の話になると思いますが、最終形としてはそこまでイメージしていますね。

綱木:各社がDXに力を入れている昨今は、さまざまなシステムがつくられています。そうした中でTradeWaltzを、貿易業務のトップシェアを占めるプラットフォームにしていただきたいです。現状、貿易業界には共通のプラットフォームと呼べるものがありませんが、TradeWaltzがそうした存在になっていくことを期待しています。

唐木:貿易プラットフォームでシェアナンバーワンになってほしいです。将来的には、貿易に携わる企業でTradeWaltzに参加していない企業がいないくらいになっていただきたいですね。

――今後の展望についてお聞かせください。
唐木:業務上の短期的な展望としては、海上輸出取引を含めてTradeWaltzをどんどん利用していきたいと思っています。商工会議所や銀行とつながったら、さらに利用を拡大し、効率化を目指していきたいです。長期的な展望としては事務リードタイムを現在の3分の2にする、7日かかっているものを4日に短縮化するという大きな目標を掲げています。

宮本:私たちが携わる貿易実務はいわゆる社内取引がメインなので、海外現地法人との連携はその最終形だと思っています。TradeWaltzを介して一気通貫で、上流から下流までオペレーションがつながるというのを今期中に形として1つつくりつつ、それをワールドワイドに広めていきたいですね。

――最後に、TradeWaltzの導入を検討されている方に向けて、メッセージをいただけますでしょうか。
宮本:足元の業務改善やコストダウンというように目先のことにとらわれると、なかなか1歩を踏み出せないと思います。私たちはDX投資を将来に向けた投資と捉え、短期的なアウトプットを狙うのではなく、先々を見越して中長期的に取り組もうとしています。一定のコストはかかるものの、「今着手しないと、気がついたときには乗り遅れている」という危機感を持ちながら臨んでいますね。TradeWaltzの利用企業が増えれば互いに享受できるメリットも増えるので、みんなで使って、みんなで機能を向上させていきましょう。

綱木:TradeWaltzの利用、あるいはそれに向けた利用検討は、自分たちの貿易業務設計・運用を見直す良いきっかけにもなると思います。小手先の改善ではなく、考え方を180度変えるような業務改革をする機会は普段あまりないのではないでしょうか。TradeWaltz利用による直接的な効果のみならず、間接的な効果まで見込めることからも、導入について前向きに検討されることをお勧めします。

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