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ペーパーレス化した書類データとTradeWaltzを使って一般原産地証明書のオンライン発給申請を実現。マニュアル入力なく、申請対応を効率化

2026.05.15
2026.05.20
ペーパーレス化した書類データとTradeWaltzを使って一般原産地証明書のオンライン発給申請を実現。マニュアル入力なく、申請対応を効率化

自動車分野を中心にグローバルに事業を展開する豊田通商株式会社様。書類のペーパーレス化など貿易実務のデジタル化を進めています。今回は同社の物流部部長を務める葛城僚祐氏(取材当時:統括・企画グループ グループリーダーに、TradeWaltz導入の背景や導入後の効果と課題、今後のTradeWaltzへの期待などについてお話を伺いました。

CFAO社に出資しアフリカでの取り組みを強化

――はじめに、御社の事業について教えてください。

国内外問わず多種多様な分野での商品やサービスの提供、事業展開をしている会社です。

もともと自動車としての色が強い会社ですが、自動車以外も伸ばしていきたいと考えています。

その中でも最近はリサイクル事業に力を入れています。鉄スクラップの会社を完全子会社化したり、電池やバッテリーに含まれるレアアースを活用したりする取り組みも進めています。資源を新たに掘るのではなく、すでに使われている資源を回収して活用していくという考え方です。

 

――地域としては、どこに力を入れているのでしょうか。

一番はアフリカです。現在、社内には8つの本部があり、その一つにアフリカ本部があります。

以前はアフリカに特化した本部がなく、自動車車両や自動車部品、機械などをそれぞれアフリカへ販売していました。ただ各々事業を進めていくより1つのパッケージとして取り組むことでシナジー効果が生まれると判断し、2017年にアフリカ本部を立ち上げました。

アフリカでネットワークを持っているフランスのCFAO社を完全子会社化し、アフリカ全体に展開しています。現在アフリカ本部の本部長はCFAO社の社長が務めています。

 

――アフリカ向けの自動車販売は具体的にどのように進めているのでしょうか。

アフリカはまだインフラが整備されきっていない面があります。

そのため基本的には別の国で造った完成車をアフリカに持っていく形が主流で、日本、東南アジア、ヨーロッパで生産された完成車のみならず、インドで生産した完成車の出荷・販売にも力を入れています。

一部の国では自動車部品を送って現地で組み立てる事業を展開しているところもあります。

 

――今後の事業の広がりについてどのように考えていますか。

「行けるところは全部行く」が基本ですが、その中でもより投資していくのはインドとアフリカを含めたグローバルサウスだと考えています。事業としては自動車を中心にしながらも、それだけに限らず他分野に拡大していきたいという考え方です。

ペーパーレス化で書類の8割を削減

――次に、物流部と統括・企画グループの役割について教えてください。

まず、物流部はコーポレート部門に属しています。営業営業活動しやすいように支援していく部署です。

支援の仕方としては、大きく2つあります。1つは物流コストを低減しつつスムーズにサプライチェーンをつなげる「攻め」の役割。もう1つはコンプライアンスにおいて、法律の要求事項を着実に遂行していく「守り」の役割です。

 

――統括・企画グループは、その中でどのような立場なのでしょうか。

物流部、および業務委託者の統括をしています。

書類作成や通関業務支援の大部分をアウトソーシングしており、その実務の業務フローやルール周りを統括しています。企画の側面として業務のデジタル化に取り組んでいます。トレードワルツへの出資も、デジタル化への取り組みとして進めてきたものです。

 

――業務のデジタル化について教えてください。具体的にはこれまでにどのような改善に取り組んでいたのですか。

特に大きな施策としてあげられるのが、船積書類のペーパーレス化です。

以前は船積書類をすべて紙で扱っていましたが、2021年から電子化しました。当初は電帳法の要求事項を満たすという課題がありましたが結果として8割以上の紙の削減を実現しました。

併せてそのものの費用だけではなく、印刷費、現地への郵送費、原紙の保管費が削減できています。単に紙を減らしたというだけでなく、紙を前提にしていた実務のコスト構造自体を見直すことにつながりました。

 

――その取り組みは、スムーズに進んだのでしょうか。

最初は「紙ならその場でチェックしやすいが、いちいち画面に映してチェックするのはやりにくい」といった戸惑いの声が出ていましたが、そういった現場の声を聞きながら運用面の調整をしていきました。

単に紙をなくせばよいという話ではなく、実際に現場問題なく運用できるようにする必要があったため、その点を踏まえながら進めていきました。

 

――ほかには、どのようなことを進めてきたのですか。

ペーパーレス化の次に進めようとしているのが構造化したデータの活用です。紙をなくすだけでなく、その先でデータとして扱える形にしていくことを進めています。TradeWaltzを利用しているのは、その取り組みの一環です。

また、運賃調達交渉にAI利用する取り組みも進めました。輸送にかかる日数や途中で積み替えがあるか、貨物到着後のフリータイムがどれくらいあるかといった条件と価格を比較し、事前に設定した優先順位に基づいて複数社の中からAIに選ばせるシステムです。この仕組みはベンダーと豊田通商で特許も取っています。

商工会議所への原産地証明書などの申請業務をTradeWaltzで効率化

――次に、TradeWaltz導入の背景について教えてください。

さきほどお話ししたとおり、社内でのペーパーレス化が進み、紙そのものに加え、印刷代、郵送費、保管費などを大きく削減できました。一方で、デジタル化の目的の1つに、紙での手続きに伴い発生している煩雑な業務を軽減したいという考えもありました。特に外部への申請では引き続き紙前提の運用のままとなっているものが多く残っていま

その1つに、商工会議所への原産地証明書などの申請手続きがあります。商工会議所へ紙の書類で申請をする際は、商工会議所への書類の持ち込みを外部のランナーに依頼しています。一方で世の中のペーパーレス化が進み、紙の書類の取り扱い量が減ってきたことで、料金形態が変わってきており、こちらのコストは大きくなっています。

原産地証明書の申請をペーパーレス化して持ち込みにかかる時間やコストを削減するため、TradeWaltzの導入を決めました。現在はTradeWaltzの「一般原産地証明書」オンライン申請機能を利用し、名古屋商工会議所に申請しています。

eCO活用で紙の打ち出しや郵送手配が減り申請対応が柔軟に

 

――TradeWaltz導入後、どのようなポジティブな効果がありましたか。

TradeWaltzで申請可能な案件に関しては、システム上で対応できるようになったので、対応がスムーズになりました。

たとえば、申請内容に不備があっても、修正してすぐ再申請できる点はメリットの1つです。紙だと差し替えや再提出に時間がかかりますが、デジタルだとその点はやりやすいです。申請にかかる時間そのものがなくなるわけではありませんが、そうした細かい積み重ねが業務の簡素化につながっています。

 

――働き方の面では、変化はありましたか。

テレワークでも作業ができるようになったのはメリットと捉えています。紙前提の場合、出社しないと対応できない業務発生しますが、TradeWaltzを活用できる案件では出社しなくても進められるようになりました。

もっと緊密に連携してTradeWaltzを使っていきたい

――現時点での課題はどこにありますか。

当社の案件で商流上のデータの持ち方でTradeWaltz上では対応できないものがあるという点です。TradeWaltzで申請できている案件では一定の効果を得られている一方で、全体に拡大できていないところに課題を感じています。

――今後TradeWaltzで実装してほしい機能があれば教えてください。

1つのS/Iに対し複数のインボイスを紐づけた形で構造化データのやり取りができる機能です。この運用は商社特有かと思いますが、活用できる場面が増えより便利になっていくのではないかと思います。

 

取材日:2026年2月24日

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