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- グループ全体の残業時間が44時間短縮。大幅な業務削減を実現できた理由とは
グループ全体の残業時間が44時間短縮。大幅な業務削減を実現できた理由とは

国内外においてショベル、ミニショベル、クレーンといった建設機械の生産・販売を展開されているコベルコ建機株式会社様。コミュニケーションの簡素化・効率化を目的にTradeWaltzをご利用いただいております。今回は、同社 生産企画部 部品供給物流グループ の大田氏と藤川氏に、TradeWaltzの導入に至った経緯や導入してよかったこと、今後の展望などについてお話を伺いました。
コスト削減・効率化の追求で高品質かつ安価な部品提供を
――まずは御社の事業内容などについて、簡単にご紹介いただけますでしょうか。
大田:コベルコ建機は、ショベル、ミニショベル、クレーンといった建設機械の開発、製造、販売並びにサービスを行っている会社です。
その中で我々の部署では日本から主に中国、インド、タイの現地法人へ現地生産用のノックダウン部品の輸出をしており、その輸出業務の中でTradeWaltzを活用しています。
ーー現在の国内外の建機市場は、どのように変化しているのでしょうか。
大田:最近は建設現場でも働き方改革の動きがあり、休日出勤や時間外労働を減らす動きが出てきています。また労働人口が減ってきていることもあり、ゼネコン等の工事現場で労働力の不足が発生しているとのニュースになっています。結果として、国内での工事の進捗が悪くなり、我々が提供しているショベルやミニショベル、クレーンなどの建設機械の需要は伸びにくいと考えています。
ーーそういった状況が予想される中で、新たな施策はなにか実施されているのでしょうか。
大田:我々は単に建機だけを売るのではなく、「モノビジネスからコトビジネスへ」といった考えを持っています。最近、弊社で力を入れているのは「K-DIVE®」です。これは簡単に言うと重機の遠隔操作システムです。現場から離れたオフィスなどから遠隔で重機を動かすことができるので、たとえば今日は青森にあるショベル、明日は鹿児島にあるショベルを運転するといったことが可能になります。
ーー一方で部品を輸出して海外で作られている商品は、今まで通りの建機が多いのでしょうか。
大田:そうですね、今まで通りの建機が多いです。ただ最近は各拠点の仕様をなるべく共通化し、同じ部品を使うことでコストダウンできるように取り組んでいます。
最近は海外市場でも、中国資本の建機メーカーがシェアを伸ばしているんです。これまでは中国資本のメーカーといえば中国国内での展開がメインだったのですが、最近では東南アジアやインドなどへ進出しています。我々も今まで以上に必要なタイミングで高品質かつ安価で部品を提供していかなければならないと考えています。彼らもいろいろなサービスをつけてショベルやミニショベルを売っているので、我々としても現地法人が必要なタイミングでしっかりと競争力がある価格でノックダウン部品を供給していかなければなりません。
ーーそういった現状の中で、皆さんの部署には組織としてどのような役割が求められているのでしょうか。
大田:業界を取り巻く環境の変化が目まぐるしい中で、担当部署として今期は稼ぐ力の強化を重点取組みポイントにしています。そのために我々は、今までの業務の延長線では終わらないように心がけています。ちょっとしたポイントを見つけて改善するなど、ノックダウン部品を出荷する際にかかるコストを少しでも安くするためにできることを常に探しています。
ーーその中で具体的に取り組まれた施策についてもお伺いできますか。TradeWaltzの導入もそのうちの一つかと思いますが、ほかにもありましたらお聞きしたいです。
大田:たとえばコンテナに部品を積み込むときは、どのような積み込み方をすると効率がよくなるか、外装箱の空いているスペースがあれば部品をどうやって詰めるのがよいかなどを検討しました。あとは固定費を下げるために、倉庫で使っている床面積の見直しなども実施しましたね。
メールでのやりとりは最新情報がわかりにくく煩雑
ーー次にTradeWaltz導入の経緯についてお聞きしたいと思います。TradeWaltzを最初に知っていただいたきっかけはなんだったのでしょうか。
大田:TradeWaltzを初めて知ったきっかけは、2023年の国際物流総合展です。そこでブースに立ち寄って説明を聞いたときに「たしかに今はメールでのやりとりが多すぎるし、案件毎の進捗もぱっと見てわからないな」と思ったのです。当時はたとえば「担当者のAさんがお休みだから、Bさんが連絡をしなければならない」となったときに、最新のメールがどれなのか非常にわかりにくかったんですよね。それで誤った情報を送ってしまい、先方の指摘を受けたり手戻りが発生したりすることもよくあって、わずらわしさをたびたび感じていました。
そこでTradeWaltzを知ったので、「このようなツールを使えばそういった問題も解決するのかな」と興味を持ったのが最初の印象です。
ーー当時の進捗情報は、Excelなどで管理されていたのでしょうか。
藤川:当時はEXCELで「何月何日に済み」といった情報を入力していたのですが、それだけでは具体的な完了までの流れはよくわからないし、担当者が入力を忘れていたらどうしようもないという状態でした。
メールもいろいろな人が返信していると、どんどん派生して分かれていってしまいますよね。そのせいでどれが正しい最新情報なのかが検索してもわかりにくくて、困ってしまうことがよくありました。
ーー以前は書類保管についても、別のフォルダに保管されていたのでしょうか。
大田:書類は今も一応別のフォルダには保管しています。以前は紙の書類も残していたのですが、量が多すぎるので途中からやめていました。
ーー実際にTradeWaltzを導入しようと思われた理由や決め手についてもお伺いできますか。
大田:後日あらためて御社の担当の方から詳しいお話を聞いたところ、「やはりこれを使えばやりとりの簡素化や効率化が進められそうだ」と感じました。
また導入にあたっては、当時から部長含めて「今後の会社の成長のためには、組織としていろいろなことを変えていかなければならない」という意識があったので、検討が始まった段階から「まずやってみたほうがいいよね」という空気感がありました。導入にかかる費用も数十万円程度で、かつ十分な効果も見込めそうだったこともあり、「とにかくまずはやってみよう」となったのです。
ーー「今後の成長のために変えていかなければならない」というのは、部長さん独自の考え方だったのでしょうか。それとも会社全体にそのような空気感があったのでしょうか。
大田:両方ですね。さきほどお話しした通り、中国資本企業の海外進出や国内市場では工期が延びるということになれば、今まで通りの業務をこなすだけでは現状維持すら難しくなってしまいます。社長や部長も含め、みんな「変えていかなければならない」という意識を持っています。
ーー中には営業部門には積極的に投資をするけど、バックオフィスにはあまりしないという判断をする企業もめずらしくないかと思います。御社は社内全体で変えていく文化があって、みんなで一緒に巻き込みあうような環境があるんですね。
大田:そうですね。コベルコ建機では、若手や下の立場の人間が「こういうことをしたいです」と言ったら、上司や周りの人間が否定するようなことはまずありません。むしろ「こうすれば実現できるのではないか」「このような視点で考えたらよいのではないか」と寄り添って後押ししてくれる人が多いかと思います。
– – – – – – – – – – – – M O R E – – – – – – – – – – – – – – – –
本記事はインタビュー前編となります。
後編では、「TradeWaltzの導入前に行った投資対効果の検証」や、「他社サービスとの比較」、「導入プロジェクトの進め方」、「導入後の効果や今後の展望」についてお伺いしております。
インタビュー全編は下記より資料をダウンロードいただきご覧ください。






